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2024-10-10

【新機能】切片の自動グルーピング機能をリリースしました

  • 機能追加

こんにちは!toitta開発チームの米山(id:yone-yama)です。

本日、toittaの新機能「切片の自動グルーピング機能」の提供を開始しました。 親和図法を用いた分析の各プロセスをより強力に支援する機能です。

切片の自動グルーピング機能とは

切片と対応する書き起こしデータの情報をもとに、生成AIを活用して切片を自動的にグルーピング(抽象化)する機能です。 グルーピング結果はtoitta上で「グループタイトル」「グループサマリー」とともに視覚的に表現されるほか、外部ツールへエクスポートすることも可能です。

この機能の特徴的な部分を4つほどご紹介します。

  1. ホワイトボード型のインターフェース
  2. タイトルとサマリー
  3. 柔軟な編集機能
  4. 外部エクスポートにも対応

1. ホワイトボード型のインターフェース

グルーピング結果はホワイトボード形式のインターフェースで一覧することができます。グループに属する切片を選択すると、その切片に該当する書き起こし・動画をサイドバーで確認することができます。

自動グルーピング機能のインターフェース

また、個別のグループを詳細に確認するデフォルトビューだけでなく、全貌を一覧するための俯瞰モードに切り替えることも可能です。

俯瞰モード

2. タイトルとサマリーを自動生成

グルーピング結果は、各グループごとに生成される「グループタイトル」と「グループサマリー」とともに確認することができます。「グループサマリー」では各切片に対応する書き起こしデータを参照し、切片に表れない背景情報も捉えた説明がなされる点が特徴です。

音楽鑑賞をテーマに行ったインタビューを例に挙げると、「移動中や夜に音楽を聴き気分転換している」というタイトルでグループが出力され、そのグループに関する説明がサマリーとして生成されます。

タイトルとサマリー(枠で囲った部分)を自動生成

3. 柔軟な編集機能

グループに関する情報はあとから編集が可能です。新たにグループを作成・既存のグループを削除したり、グループ間で切片を移動したり、すでにあるグループタイトルを変更するなど、調査目的に応じた調整が柔軟に行えます。

4. 外部ツールへのエクスポートにも対応

グループの情報を保持した状態で、Miro・Figma・Figjamなど外部ツールへのエクスポートも引き続き可能です。 データは左側にグループ、右側にグループに所属する切片が並ぶ形で出力されます。

グループの情報を保持した状態でエクスポート可能。Miroのほか、Figma・FigJam、Notion、Googleスプレッドシートにも対応

グルーピングの方針について

toittaのグルーピングは、親和図法における初段階の「抽象化」における考え方を参考にした処理を行なっています。

親和図法における抽象化(もしくはグルーピング、グループ編成と呼ばれる工程)は、頻出ワードやあらかじめ定められた分類に基づくトップダウン的な整理とは異なるものです。「語られていることの間で親近感を覚える、近いと感じる」データ同士を集めるボトムアップなアプローチであり、このことがインサイトの発見をもたらす重要なポイントであると考えています。例えば、ときに既成の枠組みに当てはめると異質に思えてしまうようなデータから共通項を発見できたり、逆に本来ひとところに整理されるようなデータから異なる観点を見いだせるといったようなことが期待できます。

toittaでは可能な限りこのボトムアップ的なアプローチをトレースすることを志向した処理を行っています。 グルーピング処理の際には切片の本文だけでなく、その切片に対応する発話、さらにその発話の前後になされた一連の会話を文脈データとして参照します。 これにより表層的な整理・要約ではなく、文脈間の共通項を探索するようなグルーピングを目指しています。

機能提供の背景

今回提供する機能は、toittaがサポートする範囲を「前工程(データの用意)」からさらに先の工程へ広げることで、ご利用いただくみなさまが親和図法での分析を日常的に行うことをより強力に支援することを目指しています。

単純作業ではない「抽象化」という工程

これまでベータ版として提供していたtoittaは、分析の前工程の支援としてデータ(書き起こしと切片)の生成を通した作業時間の短縮を主要価値と捉えて機能を提供してきました。 しかし、分析のためのデータ生成は本来からして比較的単純な作業です。切片化のプロセスには一定の考慮が求められますが、さりとて手法に習熟した分析者が相当な時間をかけさえすれば必ず完遂できる作業ともいえます。

一方で抽象化に代表されるその後の分析工程は、手作業というよりも創造的な思考をより強く要請します。抽象化の方針がその後の結果に大きく影響することから、ミッションクリティカルな側面もあります。 思考を伴う作業としての難易度と向後に及ぼす影響の高さから、手法に慣れない分析者にとっては、深く悩むことに想定以上に時間を費やしてしまったり、場合によっては完遂を諦める理由となってしまう可能性があります。

このような創造的思考を伴う難易度の高い作業をサポートできない限りは、親和図法は依然として難しい手法であり続けてしまいます。自動グルーピング機能では、この「思考プロセスの難しさ」を支援する機能であることを目指しています。

神経衰弱を後半戦からスタートする

抽象化の作業の中でも特に課題があると考えたのは「最初の」抽象化です。100件単位の切片という短文の羅列がただそこにある状態から、内容を吟味しつつ近しい切片を見つけてグルーピングしていく必要があります。この時点で対象となる切片群には何の付加的情報も存在していません。手がかりが非常に乏しい状態です。

切片のグルーピングには膨大な手間がかかる

この切片群の中から共通点や親和性を見出していく抽象化の作業は、言うなれば神経衰弱の序盤のようなものです。どこに何のカードがあるか手がかりがないため、まずは手当たり次第にカードを開いていき、ヒントを増やしながら未開の地を開拓していくことが求められます。ゲームがゴールに向かって加速していくのはカードが開かれた後半からで、序盤はなかなか進まないものです。

toittaの自動グルーピング機能は、この神経衰弱を後半戦から、つまりある程度カードの位置が分かった状態からスタートできるような機能です。 あらかじめ近似している切片がグループとして配置されているので、それを手がかりにその後の作業を進めていけます。 さらにタイトルとサマリーの存在によって、「この切片たちはどういう共通点があり、どのような背景でグループに属しているか」という情報が提示されます。この情報もその後の分析を進める補助線として活用できます。

これからもサポート範囲と役割を広げていきます

今回の機能提供によってtoittaは2つの進化を目指しました。ひとつは「作業プロセスの省力化 + 高難度な思考プロセスの補助」というサポート手法の進化、もうひとつは「分析の前工程の支援 + 分析の本工程の支援」というサポート範囲の進化です。今回の機能提供を端緒に、toittaは今後、より広範な分析工程をカバーしながら作業だけでなく思考補助の役割を担えるような機能開発を進めていきます。

また、新たな機能開発と並行して、グルーピングの処理アルゴリズムについても継続して改善を続けていきます。この数日間の間でも、内部的な評価基準で大幅な出力結果改善が実現しています。今後もさらなる飛躍を遂げていきますので、引き続き応援いただければ幸いです。

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