ダブルダイヤモンドとは? - リサーチ用語集
ダブルダイヤモンドとは
ダブルダイヤモンドは、UXデザインやデザイン思考、サービスデザインにおける代表的なプロセスモデルです。2つのダイヤモンド(ひし形)が連なる形状をしており、それぞれのダイヤモンドごとに「拡散的思考(発散)」と「収束的思考(収束)」のフェーズが存在します。
2004年にイギリスの公的機関であるデザインカウンシル(Design Council)によって提唱されました。
© 2026 Design Council
https://www.designcouncil.org.uk/our-resources/the-double-diamond/
4つのフェーズ
ダブルダイヤモンドは4つのフェーズで構成されています。前半のダイヤモンドで「正しい課題の定義」、後半のダイヤモンドで「最適な解決策の実現」を行います。
第1のダイヤモンド:課題の定義
1. 発見(Discover):【拡散】
リサーチを通じてユーザーと話したり観察したりして視野を広げ、課題を理解します。
2. 定義(Define):【収束】
発見フェーズで集めた情報からインサイトを導き出し、取り組むべき課題を定義します。
第2のダイヤモンド:解決策の実現
3. 展開(Develop):【拡散】
定義された課題に対して、多様な解決策やアイデアを広げ、検討します。さまざまな人々と共同で設計することが奨励されています。
4. 実現(Deliver):【収束】
プロトタイピングや検証を経て、最適な解決策を絞り込み、実現(実装)します。
イノベーションのためのフレームワーク
デザインカウンシルはさらに「イノベーションのためのフレームワーク」として以下の提言をしています。
デザイン原則
1. Put people first.(人を第一に考える)
サービスを利用する人々が誰か、彼らのニーズ、強み、そして願望を理解することから始める。
2. Communicate visually and inclusively.(視覚的でインクルーシブなコミュニケーション)
問題やアイデアを誰にでもわかるように伝える。
3. Collaborate and co-create.(コラボレーションと共創)
多様なステークホルダーと一緒に作業し、他の人の取り組みからインスピレーションを得る。
4. Iterate, iterate, iterate.(繰り返し、繰り返し、繰り返し)
反復することで、エラーを早期に発見し、リスクを回避し、アイデアへの確信を深める。
デザイン手法
以下の3つの分類で整理されています。
- Explore(探究):課題、ニーズ、機会
- Shape(形): プロトタイプ、洞察、ビジョン
- Build(構築): アイデア、計画、専門知識
成功の文化の創造
現代の問題には多面的なアプローチが必要です。そのためにはプロセスや原則とともに「組織の文化」と「ステークホルダーとのつながり」が重要とされています。
1. Leadership(リーダーシップ)
イノベーションを促し、スキルと能力をつくり、実験と学習の機会を得るには、リーダーシップが必要である。強力なリーダーシップは、プロジェクトをオープンかつアジャイルに進め、進捗状況に応じて成果を示し、変化に対応できるようにする。
2. Engagement(エンゲージメント)
アイデアを提供する人々とそれを受け取る人々だけでなく、異なるアイデアを持つ他の人々とのエンゲージメントも必要である。つながりを築くことは、アイデアを生み出すことと同じくらい重要である。
参考資料
The Double Diamond - Design Council
Framework for Innovation - Design Council
(監修者)
デザインプロセスを表現する図としては ISO 9241-210 で提示されたプロセス図と並んで、ダブルダイヤモンドもよく見かけます。UXデザインの専門家でない方々にもわかりやすく、説明がしやすい図です。
日本ウェブデザイン株式会社
代表取締役CEO 羽山 祥樹
HCD-Net認定 人間中心設計専門家。toittaエバンジェリスト。使いやすいプロダクトを作る専門家。担当したウェブサイトが、雑誌のユーザビリティランキングで国内トップクラスの評価を受ける。2016年よりAIシステムのPdMとUXデザインも担当。NPO法人 人間中心設計推進機構(HCD-Net)理事。
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