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2026-01-26

上位下位関係分析とは? - リサーチ用語集

上位下位関係分析とは

上位下位関係分析法は親和図法の一種です。ユーザー観察やインタビューなどで得られた定性的な情報を階層構造に整理することで、ユーザーのニーズを導き出す手法です。

3つの階層構造(ニーズの分類)

上位下位関係分析法では、ニーズを3つの階層に分けて整理します。表面的で具体的な事象から「なぜ?」をくりかえして抽象化していくことで、事象の奥にあるユーザーの本質的なニーズ(Beニーズ)を探り当てます。

  1. 上位:ユーザーの本質的ニーズ(Beニーズ)
    • ユーザーが最終的にどのような状態でありたいかという本質的な欲求です。「〜になりたい」と表現します。
  2. 中位:ユーザーの行為目標(Doニーズ)
    • ユーザーの具体的な行動です。「〜したい」と表現します。
    • Beニーズを実現するための行為を表現します。
  3. 下位:ユーザーの事象(Haveニーズ)
    • インタビューやフィールドワークで得られた具体的な事象です。
    • モノや機能などの具体的なものについて「〜がほしい」と表現します。
    • Doニーズを実現するための手段を表現します。
上位下位関係分析の3つの階層構造(Beニーズ・Doニーズ・Haveニーズ)を示す図

上位下位関係分析法の実施手順

上位下位関係分析法は以下のように進めます。

  1. インタビューやフィールドワークから得られた具体的な発話や事象をカードに書き出す。カードは断片的な言葉や単語にせず、ユーザーの状況が目に浮かぶように具体的な文章で書く。

  2. ホワイトボードや模造紙を上下3段に分ける。下の段からHaveニーズ・Doニーズ・Beニーズの段になる。

  3. 下の段(Haveニーズ)にすべてのカードを貼る。

  4. カードを眺めて、ユーザーのニーズが似ていると思われるカードを2枚取り出す。

  5. カードとカードを比べて、内容がHaveニーズなのか、より上位のDoニーズなのか、Beニーズなのかを考える。上位と判断したカードは該当の段へ動かし、対応する下位のカードと線でつなぐ。

  6. いまあるカードだけでは上下関係を見出せないときは、似ているカードをグルーピングして上位のニーズを検討し、新たなカードとして書き起こす。

  7. 下の段(Haveニーズ)のすべてのカードで上位下位の比較をし終えたら、中の段(Doニーズ)でも同じ作業をくりかえす。

  8. すべてのカードの上位下位の比較が終わり、上の段(Beニーズ)が見出される。

ラダーアップとラダーダウン

下位のニーズから上位のニーズへ抽象化することを「ラダーアップ」と呼びます。インタビューやフィールドワークで得られた具体的な事象について「ユーザーはなぜこれがほしいのだろう?」と深掘りすることで、より上位のニーズを見出します。

上位のニーズから下位のニーズへと具体化することを「ラダーダウン」と呼びます。「ユーザーが望む状態や行為のためには、具体的に何がいるんだろう?」と細分化することで、より下位のニーズを見出します。

なおインタビュー手法として、ラダーアップ・ラダーダウンをする会話を意識的に行うことを「ラダリング法」と呼びます。そこから転用して、上位下位関係分析法をラダリング法と呼ぶこともあります。

実施のポイント

最上位のBeニーズがあまりに抽象的すぎる(例:「幸せになりたい」など)と、具体的な解決策やアイデア発想につながらなくなります。

これを避けるテクニックとしてUXデザイン教育者の浅野智氏は、ホワイトボードや模造紙を3段ではなく4段に分け、最上段の4段目に「幸せになりたい」や「効率化したい」などのわざと抽象的すぎるニーズをあらかじめ貼っておくことで、3段目のニーズの粒度を具体的に調整しやすくする手法を紹介しています。

参考資料

UX京都2013#05 半構造化インタビューと上位下位関係分析法  | 経験デザイン研究所

ひとことコメント
(監修者)

上位下位関係分析法は、思考の流れは親和図法やKJ法とおおむね同じですが、ホワイトボードや模造紙をあらかじめ3段に分けておくことで、ニーズの粒度と整理をしやすくする効果があります。


監修者

日本ウェブデザイン株式会社
代表取締役CEO 羽山 祥樹

HCD-Net認定 人間中心設計専門家。toittaエバンジェリスト。使いやすいプロダクトを作る専門家。担当したウェブサイトが、雑誌のユーザビリティランキングで国内トップクラスの評価を受ける。2016年よりAIシステムのPdMとUXデザインも担当。NPO法人 人間中心設計推進機構(HCD-Net)理事。

X(Twitter): @storywriter

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