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Case Study

つくることに集中するために。コンセントがtoittaと歩むリサーチ現場の最前線

株式会社コンセント
  • コンサルティング・制作会社
  • 従業員数:101〜500名
  • クライアントワーク

「デザインでひらく、デザインをひらく」をミッションに、企業や行政と伴走し活動を支える株式会社コンセント。関係者が多岐にわたるプロジェクトでは、ユーザーの声をどのようにチーム全体で捉え、活かすかが重要です。そんな中、リサーチの質と共有のしやすさを両立するために採用されたのが、toittaでした。今回は、主にリサーチ業務を担う石井さんと、バックオフィス業務を担う中村さんに、toittaの活用とその背景、そしてコンセントにおける「当たり前にやるもの」としてのリサーチのあり方についてお話を伺いました。

リサーチは前進のための手段

── お二人が所属されているチームについてと、それぞれの役割について教えていただけますか?

石井さん:Strategic Design groupという、企業や行政などの組織活動に伴うさまざまな困難をデザインによって解決する部署に所属しています。その中でもリサーチャーとしての業務が多く、リサーチ設計やインタビューの実施、その後の分析までを主に担当しています。

中村さん:Culture Design groupというバックオフィス業務を担う部署に所属しています。社員のみんなが安心して会社生活を送ることができるように、また、組織能力をより高めていけるよう、環境や制度、運用の仕組みづくりに取り組んでいます。

── 多くのプロジェクトでリサーチを実施されていると伺いました。

石井さん:体感ですが、サービス開発や改善プロジェクトの8〜9割はなんらかのリサーチを実施しています。その中でもユーザーインタビューを実施する機会は多いですね。プロジェクトの探索や検証のフェーズに、ユーザーの声を聞いて方向性を定めるというプロセスが基本の形であるとも言えます。

中村さん:コンセントでは「ユーザーに聞かずに進めることの方がむしろ稀かもしれません。

── プロセスにリサーチを組み込むかは、どのように判断されているのでしょうか?

石井さん:基本的には、課題が明確になっていない時や前提から捉え直そうということを思ったときや、検討しているサービスやプロダクトの評価やブラッシュアップのためにリサーチをするケースが多いです。リサーチはあくまでもプロジェクトを前進させるための、ひとつの過程として位置づけています。

── そんな中で心掛けていることはありますか?

石井さん:リサーチをする中で大事にしているのは、「まだ明らかになっていないこと」に目を向けることです。クライアント自身も気づいていないことや、ユーザーが言語化できていないことの中にこそ、価値のある情報が眠っていると思っていて。そうした潜在的な気づきを引き出すためにリサーチは有効です。ですので、実際にリサーチを行うと、クライアントの中でも「そういうことだったのか」と新たな発見が必ず生まれると感じています。

株式会社コンセント・中村さんと石井さん

ユーザーの声がプロジェクトの目線合わせにつながる

── リサーチ業務を行う中で、クライアントとはどのような関わり方をされていますか?

石井さん:僕たちは、リサーチを支援するといっても「勝手に調べてきて報告する」というスタンスではなくて、クライアントの方と一緒にリサーチ設計から始めます。質問項目も一緒に考えるし、インタビューにも同席してもらって、可能な限り一緒に進めることを大切にしています。

── それはなぜなのでしょうか?

石井さん:実査は基本的に私たちが行いますが、クライアントの方にも同席してもらい、気になった点があればその場で話していただくこともあります。事業に関わる人がユーザーの声に直接触れることは、思っている以上に新鮮で、有意義な体験になるんです。

── どんな反応をされることが多いですか?

石井さん:「ユーザーの話ってこんなに面白いんだ」と言われることもあります。また、こうしたプロセスをクライアントと一緒に設計したり、インタビューに同席してもらったりすることで、クライアント自身のモチベーションや納得感も高まっていきます。事前の仮説だけでは捉えきれなかった現場の実感が、インタビューを通じて共有される。結果として、プロジェクトの目線合わせにもつながっていくのだと思います。

リサーチを起点にし、大ごとにしない

── ユーザーの声を聞くことに意味を感じるのは、それが事業やプロジェクトを動かすきっかけになっているからでしょうか?

石井さん:そうですね。ユーザーの声を聞くのは大事だと思いつつも、「それで事業は良くなるの?」という問いは常にありますし、その感覚もよく分かるんです。リサーチ単体で事業の成果に直結するわけではない。だからこそ、リサーチで得た気づきを解釈して、仮説を立てて、次のアクションにいかにつなげられるか、そこが重要だと思っています。結果として「この気づきがあったから、次の一手が生まれたよね」という場面は、クライアントと一緒に進めていると確かにあるんですよね。

── 実際に成果を得るには、また別の工程が必要になる?

石井さん:はい。サービスを改善したり、開発する際には、実際に何かをつくる・表現する工程がメインになります。だからこそ、リサーチを大ごとにし過ぎないことが大切だと思っていて。小さく素早く回して、メインの「つくる・考える」にしっかり時間を使う。そのサイクルを何度も回すイメージです。

── リサーチを「当たり前」にしておきたいんですね。

石井さん:そうです。分かりやすい成果に一足飛びでつながらないこともありますが、リサーチは多くの場合で起点になります。だから当たり前に、迷わず差し込めるようにしておきたい。最小で回す工夫は、そのための前提だと思っています。

toitta導入により、インタビュー精度が向上

── toittaをご導入いただいた背景について教えてください。

石井さん:以前は、オンラインでのインタビューが多かったのですが、オフラインの機会も増えてきて、ミーティングツールの文字起こし機能に頼りにくくなっていました。議事録作成やテキスト整理など、検討・分析以前の作業時間を減らしたいと考えていたんです。

── その中で、toittaの導入はどのように活きてきましたか?

石井さん:私の担当するプロジェクトでは、2人体制で1人が議事録作成に徹し、もう1人がインタビュアーを担うという進め方が主流でした。toittaを使うことで、記録はツールに任せて、2人とも話に集中できるようになりました。たとえば、メインのインタビュアーがある問いに集中している間、もう1人が「さっきのあの言葉ってどういう意味だったんですか?」と自然なタイミングで聞くことができる。結果的に、会話がより立体的になり、インタビュー自体の精度が上がった実感があります。

前は30分に一度くらい、サブ担当が「他に質問ありますか?」と促されて入る程度でしたが、今ではメイン・サブの境界が良い意味であまりなくなり、より協働的にリサーチが進むようになっています。

── クライアントとのコミュニケーションに変化はありましたか?

石井さん:書き起こしや切片の共有は本当にスムーズになりました。URLで該当の発話(動画の該当箇所)に直接リンクで共有できるのも大きいです。同席できなかった方にも事実ベースで共有しやすいんです。「こういう発言があって、こう解釈しました」と道筋を示せるので、結果として納得感が生まれやすいですね。

当たり前にするためにtoittaが役立つ

── 社内でtoittaの活用が広がっていった経緯について教えてください。

中村さん:toittaは、一度使った人たちが別プロジェクトでも利用し、さらにtoitta利用プロジェクトに参加して便利さを実感する人が増えていくことで、徐々に使う人が増えてきた印象があります。ツール導入は、実際の利用者のおすすめがあると進みやすいですよね。

── 今後、toittaをどのように活用していきたいと考えていますか?

中村さんツールに頼ることで、効率的に進み、新たな時間を生み出せるなら、その時間はクライアントへの提供価値向上に使うことができます。そういう意味でも、toittaのようなツールがどんどん活用されていくといいなと思っています。

石井さん:少し個人的な思いも含みますが、多くの組織やプロジェクトでリサーチを特別なこととしてではなく、「当たり前にやるもの」にしていきたいという気持ちがあります。そのためには、リサーチの体験価値はしっかり担保しつつも、かける工数を最小限に抑える工夫が欠かせません。toittaは、まさにその工夫を支える存在だと感じています。

── 石井さんは、クライアントにもtoittaを紹介されているとか?

石井さん:はい、僕自身もクライアントのプロジェクトで、toittaの活用を提案するケースが増えてきています。インタビューデータをtoittaで記録しておくことで、それ自体が将来に残る資産になるんですよね。単なる記録ではなく、その時どんなことを話して、どんな気づきがあったのかを含めて、アーカイブ化できるのは非常に意義があると感じています。


リサーチを特別な工程ではなく、「当たり前にやること」にしていくためには、大きく構えず、小さく素早く進められる環境が不可欠です。コンセントでは、toittaの導入によりインタビューの精度が高まり、クライアントへの共有もしやすくなったことで、プロジェクト推進力の向上にもつながっていました。リサーチを日常的な営みにしていくうえで、toittaが確かな土台として機能していることが印象的でした。石井さん・中村さん、貴重なお話をありがとうございました!

撮影:小野奈那子

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