トップ 導入事例 ブログ セキュリティ
無料トライアルを申し込む 無料トライアル
導入事例一覧
Case Study

東急株式会社・URBAN HACKSの現場から見る、プロセスに寄り添うリサーチの形

東急株式会社
  • IT・ソフトウェア・SaaS
  • 従業員数:500〜2000名
  • プロダクト開発チーム

鉄道や商業施設、ホテル、街づくりまで、日々の暮らしに深く関わるサービスを展開する東急株式会社。その中で、デジタル領域のプロダクト開発を内製で担っているのがURBAN HACKSです。URBAN HACKSでは、顧客の声を起点にサービスづくりを進める文化は以前からありましたが、分析が個人に閉じがちになることや、コングロマリットな企業であるが故に知見を共有する難しさといった課題にも直面していました。リサーチをみんなのものにするには、何が必要なのか。URBAN HACKSが試行錯誤の中で見つけてきた変化をUXリサーチャーの水谷さんに伺いました。

サービスをまたぎ、横断的にお客様の体験を考える

── 最初に、水谷さんが所属されているURBAN HACKSは、どのような背景で立ち上がった組織なのでしょうか?

水谷さん:東急は鉄道や百貨店、不動産など、幅広い事業を展開しています。オフラインの体験づくりに長年取り組んできましたが、アプリやWEBサービスなどの体験設計については外部に委託することが多かったんです。結果としてサービスごとに体験が独立し、全体としてのつながりを描きにくい状況がありました。そうした課題意識から、内製でデジタルプロダクトをつくる組織としてURBAN HACKSが立ち上がりました。

── 水谷さんは、URBAN HACKSの1人目UXリサーチャーとして昨年ご入社されたんですよね。

水谷さん:はい。URBAN HACKSではプロダクトごとにチームはありますが、私は鉄道領域における新規事業開発をするチーム、横断的な体験設計を進めるチームの中でリサーチをしています。サービスを横串で見る視点に加えて現場での実践、その両立を目指しています。

── URBAN HACKSでは、水谷さんが入社される前からリサーチは行われていたのでしょうか。

水谷さん:はい。サービスデザイナーが中心になって、ユーザーの声を聞く取り組みはすでに行われていました。URBAN HACKSとしてはもちろん、東急としても、顧客の声を起点に考えようという姿勢は、組織として大切にされていると思います。

東急株式会社・水谷さん

ユーザーの声が事業の前提を問い直した

── 現在は、どのような形でリサーチを行われていますか?

水谷さん:ユーザーインタビューは、「この仮説を確かめたい」など、問いが生まれたタイミングで行うことが多いですね。また、インタビュー以外にも、ユーザーの行動を確かめるために現地へ行くことも大切にしています。アプリと改札機の連携やイベント会場での検証のように、実際の場所や動線が体験に直結するものは、机上では分からないので、現場で確認します。

── 実際にユーザーの声を聞いて、どう感じられましたか?

水谷さん:沿線ユーザーの理解は、想像以上に奥深いですね。同じ沿線でも、駅やエリアが違えば、生活のリズムや価値観がまったく異なります。数値データやアンケートだけを見ていると一括りにしてしまいがちですが、インタビューをすると、その人の暮らしがよりリアルに浮かびあがってきます

── 印象的だった気づきはありますか?

水谷さん:どうしてもビジネス側では生活者の移動を細かくカテゴライズして、移動を増やす・減らすといった捉え方をしがちです。しかし、ユーザー自身は日常の中で事業側でされたようなカテゴリーで移動を意識していません。それよりも、自分の状況に合わせて自由に動けることを求めていて、その意識のズレに気づけたことは、大きな収穫でした。ユーザーの声を直接聞くことで、事業の前提に置いていた見方を問い直すきっかけになっています

リサーチの属人化に感じていた課題

── toittaは、どのようなきっかけで知ったのでしょうか?

水谷さん:転職してきて間もない頃、SNSの広告でtoittaを見つけました。特にツールを探していたわけではないのですが、その時に感じていた課題にフィットしているなと思いました。

── どのような課題を感じていたのでしょう?

水谷さん:リサーチを進めることができる人が限られていることや、調査結果や分析内容を共有する文化に伸び代があるなと感じていました。特に一つ目の属人化については、強い問題意識がありました。

── 具体的にはどんな状態だったのでしょうか?

水谷さん:例えば、切片化やグルーピングのような分析作業って、やろうとすると意外と難しいんですよね。結果として、リサーチャーが一人で抱え込んでしまうということも少なくはないです。そして、その状態を変えようとすると、周囲に説得や説明する時間が必要になります。自分の時間を分析以外に使わなければならない、というジレンマを感じていました

toittaは既存のプロセスを変えずに使える

── 実際にtoittaを触った時の第一印象はいかがでしたか?

水谷さん:最初に感じたのは、画面がきれいで分かりやすいということでした。加えて、想定していたよりも書き起こしや各機能の精度が高く、たたき台としては十分だと感じました。分析に入る前の工程をtoittaが肩代わりしてくれて、考える時間が増えそうだなと思いました。

── 導入を後押しした決め手は何だったのでしょう。

水谷さん:一緒に検討していたメンバーが「リサーチャーの眠れない夜が解消される」と表現したんです。その言葉に、課題と価値が表れていると感じました。

また、これまでにもツールはいくつか検討してきたのですが、そうしたサービスの中には、ツールに合わせて分析の進め方を変えなければならないものも少なくありませんでした。その点、toittaは自分たちがユーザーを理解するために望ましいと考えたプロセスに、寄り添ってくれる感覚があったんです。ツールによってプロセスに制限がかからない。そのことが、現場で使い続けられるイメージにつながりました。

当日共有が可能になりチームの動きが変わった

── toittaを導入してから、どのような変化を感じましたか。

水谷さん:工数削減はもちろんなのですが、とにかく共有スピードが早くなりましたね。今日インタビューした内容を、その日のうちに共有できるようになったんです。

── 具体的にどのような変化があったのでしょうか?

水谷さん:例えば、同じ日に5名インタビューを実施したとすると、その内容を翌日までにまとめようとして、無理をしていたこともありましたし、共有が遅れてしまうこともありました。ただ、toittaを使うようになってからは、その日のインタビューが終わった段階でレポート・クロスレポート機能を使ってレポートを生成して、「ここを見ておいてください」と共有できるようになったんです。

── それによって、チームの動きも変わりましたか?

水谷さん:はい。1日目に同席できなかった人でも、次の日までに内容を把握した状態で2日目に臨めるようになりました。また、全員が同じ前提を持って次に進めるので、議論や分析もしやすくなりました

── 共有は、どのように行っているのでしょうか?

水谷さん:URBAN HACKSのメンバーにはtoittaのリンクでそのまま共有できますし、協働する東急グループ各社のメンバーにはクロスレポートをExcelにエクスポートして共有しています。全員が同じ情報を見られる状態であることを優先しているので、toittaで整理したものをそのまま他ツールにエクスポートできるのは助かっています。

クロスレポートはExcelやSpreadsheetなどに形式を変えずにエクスポートが可能です

導入を通じて広がった理解と大企業ならではの壁

── 組織全体への影響もありましたか?

水谷さん:導入検討そのものが、結果的にリサーチ活動の啓発になりました。まず、toittaのデモを見てもらった時に、「分析って、こんな過程があるんだ」という感想をもらいました。普段はリサーチに関わらないメンバーから、「これっていつから使えますか」と聞かれたことも印象に残っています。

── 一方で、大企業ならではの難しさもあったのではないでしょうか?

水谷さん:ありましたね。個人情報やAI活用への不安は大きく、正直、導入までには時間がかかりました。ただ、ツールそのものよりも、AIが組み込まれたサービスの検討に組織側が慣れていくことが課題だったと思います。その点では、カスタマーサクセスの方が非常に丁寧に対応してくれたことが安心材料になりました。今後は、社内でのログイン制限の扱いなども含め、関わるメンバーをどう増やしていくかが次のテーマだと感じています。

リサーチをみんなで行うために

── ここまでのお話を伺っていると、水谷さんご自身が「リサーチをみんなのものにしたい」と強い思いを持たれている印象を受けました。

水谷さん:そうですね。そもそも、正しいユーザー理解というものは、一人では到達できないと思っています。厳密に言うと、絶対的に正しい理解は存在しない。リサーチャーであっても、自分の枠組みの中でしかユーザーを捉えられません。その限界は、インタビューを重ねるほど実感しますね。

── リサーチャーとしての専門性があっても、ということですね。

水谷さん:はい。専門性はリサーチにおけるガイドラインとして大切です。また、状況・場合によっては深く一人で考えることも大事ですが、見落としのリスクも増えると思います。異なる立場や経験を持つ人が関わることで、認識の枠組みが更新されて、理解が深まっていくこともあるからこそ、リサーチをリサーチャーだけに閉じたくないなと思います。

── その考え方と、toittaの位置づけはどうつながっていますか?

水谷さんtoittaは、議論の前提となる情報の整理をしてくれる存在だと捉えています。toittaがまとめた内容を見ながら、「自分はこう思う」「ここは少し違うかもしれない」と話せるようになると、自然と議論が始まります。一人の見方に閉じず、いろいろな視点を持ち寄るための入口として機能している感覚ですね。

── 今後、どのようなリサーチの形を目指していますか。

水谷さん:より多くの人がリサーチに関われる状態をつくっていきたいです。複数のインタビューを横断して仮説を立てたり、事業をまたいで顧客を捉えることは、東急のようなコングロマリットだからこそできる取り組みだと思っています。toittaを通じて、顧客の声と関われる環境を整えながら、AIと一緒に考えるリサーチを続けていきたいです。


顧客の声をサービスに生かし、前提を問い直していく。その営みを、一部の専門家に閉じず、チームや組織へと少しずつひらいていくこと。URBAN HACKSの取り組みは、リサーチを効率化する話にとどまらず、向き合い方そのものをアップデートしていく試みでもあります。試行錯誤の先には、どんな顧客体験につながっていくのか。その歩みは、これからも続いていきます。水谷さん、貴重なお話をありがとうございました!

撮影:小野奈那子
撮影場所:WeWork 渋谷スクランブルスクエア

リサーチには、
リサーチのためのAIを。

リサーチャーが本来の価値を発揮する、新しい分析体験が待っています。toittaが生み出すインパクトを、ぜひ実感してください。

まずはお気軽にご相談ください。通常1営業日以内でご返信します。